畑を耕す仕事がしたいと思っているけど実際には辛い作業で、とてもそんな事はできない。
代わりに、業務スーパーで買ったアサイーにバナナがミックスされているやつを朝に食べている。スプーンで冷たい塊をすくうとき、少し優雅な気分になる。畑を耕す代わりには、なっていないと思う。
朝のこの時間だけは、体重が軽い。スマホを触り始めると、急に重くなる。右手がタイピングのしすぎで腱鞘炎めいてきた。重力が普段より強い気がする。
小田急線はビールの匂いがする。横浜線はアンモニアの匂いがする。不快ではない。もちろん嘘だが。ただ、それぞれの路線にそれぞれの匂いがあるというだけだ。それが、その路線の性格みたいなものを決めている気がする。
好きなものが飽きられると気持ち良い。ずっと好きでいなきゃという強制から解放される。ダサいと心の中で言いながら、やがてそれも言わなくなった時が、精神的にちょうど良い収まり方をする。
つまらないものをつまらないと口に出さないままにしていると、そのうちつまらないということを忘れている。忘れている間は、それがつまらないのかどうかすら分からなくなる。それはたぶん、悪いことではない。
釣りがしたい。でも釣りができる知り合いがいないから、一人で始める勇気がない。道具を買いに行くところまでは想像できる。店で釣竿を見て、値札を見て、やっぱりやめる。その先が想像できない。
早く俺のやりたい事をAIに命令されたい。どうせ自分では決められないのだから、外部から「これをやれ」と言われた方が、たぶんちゃんとやれる。でもそれをAIに頼むという行為自体が、すでに自分で決めているようなものなのかもしれない。
冷蔵庫を開けて、その冷蔵庫の中の空洞と音がした。